時は来た!個人事業主が法人成り(会社設立)するタイミングはこの時です。

時は来た!個人事業主が法人成り(会社設立)するタイミングはこの時です

お悩みの人
個人事業主として事業を立ち上げ、経営も順調で売上も伸びてきました。そろそろ「会社設立(法人成り)」と考えていますが、ベストなタイミングってありますか?

はじめに

こんにちは。影谷(かげたに)です。

個人事業主として事業をスタートさせ、順調な経営状態であると税対策や従業員雇用の問題から「法人成り」と言われる会社設立へ移行するという局面が出てくると思います。

個人事業主がここで必ず迷う「法人成りのベストなタイミング」ですが、“いつ法人化するか”について悩む個人事業主の方はとても多いかと思います。

具体的には、売上が1000万円程度になった時が目安、といわれてたりしますが、実際にはその他にもポイントとなる点があります。

本日は個人事業主が法人成りするときのメリットとデメリットと法人成りするタイミングについて、10分で読めるこの「黄金の知恵袋」で解説していきたいと思います。

 

記事の信頼性

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。
現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。
特に対面営業と経営実務に関することを追求することが好きです。

法人成り(会社設立)には良いことも悪いこともある?!そのメリットとデメリット

個人事業主が会社を設立して法人化することを「法人成り」といいます。

もちろん法人化をするか、個人事業主のままいくかは経営者のの方針や意志が色濃く反映されると思いますが、そのメリット・デメリットについて考えてみましょう。

メリット①「節税」

まず主なメリット「個人よりも節税になる」という点でしょう。

節税面は、法人のほうが一定以上の利益額になると税率が低くなるという点あります。

また、経費として認められる範囲も広まるため、ある程度の事業規模になったら法人成りすると良いといわれています。

メリット②「社会的信用度」

次は「法人」としての「社会的な信用度が向上する」ということでしょう。

近年では、働き方の多様化でフリーランスも増えていているので一概にはいえませんが、まだまだ個人事業主の社会的な信用度は高くはありません。

中には、「個人事業主とは取引しない」という企業もあるため、社会的信用度が向上するという点は大きなメリットになるでしょう。

また、人材採用の面においても、個人事業主よりも法人として求人募集をした方が、より優秀な人材を確保できる可能性が高まると考えられます。

影谷トモ
私の知人で人材派遣事業を行っている個人事業主がいますが、やはり大きな会社との取引を行っていくには必要ということで法人成りの道を選びました。結局日本においてちゃんと仕事をしていても個人事業主という看板では限界があるということですね

デメリット 「ランニングコストが増える」

これは法人化すると逃れられないことですが、会社を設立すると「ランニングコスト」が発生します。

会社を作るというだけであれば、数十万円程度で所定の手続きを行うと割と簡単に法人化できます(税理士に相談は必要)。

しかし、重要なことは会社を「維持」していくことにあります。

たとえば、法人だと赤字でも税金が発生したり、社会保険の加入が義務付けられたり、必要となる手続きが増えることから事務負担も増えます。

そのため、売上があっても利益は少なかったり、事業規模が小さい状態だったりする場合は、個人事業主のままのほうがよいケースもあります。

法人成り(会社設立)するときの費用

個人事業を法人化するときには、株式会社の設立でおよそ24万2000円、合同会社で10万2000円程度の費用がかかります。その内訳は下記のとおりです。

法人成り(会社設立)するときの費用の内訳
  株式会社設立時の費用 合同会社設立時の費用
定款印紙代 4万円
(電子定款であれば0円)
4万円
(電子定款であれば0円)
定款認証手数料 5万円 なし
謄本交付手数料 2000円程度(1枚250円)
※定款のページ数によって変わる
2000円程度(1枚250円)
※定款のページ数によって変わる
登録免許税 最低15万円(資本金の0.7%) 最低6万円(資本金の0.7%)
影谷トモ
割と簡単に法人成りの手続きは行えるものの、経営を継続的に安定させていきたいのであれば法人成りから専門家である税理士や会計士さんに相談することがおすすめです。別途、会社設立のための手続報酬が必要になりますが、余計な手間を考えて悩むのであればプロに依頼するのが得策でしょう

時は来た!法人成りを考えるベストなタイミングとは!?

では、上記のメリット・デメリットをふまえて、法人成りを検討するタイミングについて考えてみましょう。

タイミング その① 売上が1000万円を超えたとき

まず、一般的に多くいわれているのが売上が1000万円を超えたときです。

これは、売上が1000万円を超えた翌々年度から消費税の課税事業者となり、納税義務が発生するからです。

消費税の納税義務が免除される免税事業者になるには、基準期間または特定期間の課税売上高が1000万円以下であることなどが条件となっています。

基準期間とは、その事業年度の2事業年度前のことで、特定期間は、前事業年度開始から6か月のことを指します。

法人成りした場合、個人事業の売上は含めないため、基準期間や特定期間がないことになります。そのため、原則として設立後2期目までは免税事業者となります。

つまり、継続して売上が1000万円を超えることが予想されるときは、法人成りをすることで、免税事業者となる期間を伸ばすことができるのです。

※ただし、資本金等が1000万円以上の法人については、初年度から課税事業者になるので注意。

 

タイミング その② 利益が500万円を超えたとき

利益が500万円を超えたときも、法人成りするひとつの目安となります。

下記表のとおり、法人の方が税率が低くなるラインがあります。所得税には控除があるため、これを考慮すると利益額500万円程度が目安となるのです。

所得税率と法人税率の比較

法人成りの場合は、資本金1億円以下(中小法人)となることが一般的です。そのため、法人成りが有利かどうかは中小法人の税率と比較します。

所得(利益)額 所得税 法人税
税率 控除額 税率
195万円以下 5% 0円 ・中小法人
800万円以下の部分
19%(15%※)

・普通法人
23.2%

195万円超〜330万円以下 10% 97,500円
330万円超〜695万円以下 20% 427,500円
695万円超〜800万円以下 23% 636,000円
800万円超〜900万円以下 ・中小法人
800万円を超えた部分
23.2%

・普通法人
23.2%

900万円超〜1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

※2018年4月〜2021年3月31日までの間に開始する事業年度に適用
※普通法人とは株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、一般社団法人などのこと
※中小法人とは普通法人のうち資本金または出資金が1億円以下の法人のこと

納税額の比較シミュレーション

それでは、具体的にどのくらい納税額に差があるのか、利益額500万円の場合で試算してみます。なお、以下は基礎控除と給与所得控除のみで簡素化して計算しているため、実際の納税額とは異なります。

個人事業主と法人との納税額の比較

個人事業主

納税額合計:約108万円
 └所得税:50万7000円
 └住民税:46万7000円
 └事業税:10万5000円

法人

(1)社長の給与を300万円とした場合
納税額合計:約67万円
 └法人:42万8420円※
 └個人:23万7000円

(2)社長の給与を100万円とした場合
納税額合計:約85万円
 └法人:85万6840円※
 └個人:0円

※中小法人(東京都)の所得400万円以下の法人実効税率21.421%(平成30年4月以降)として計算

上記の例では、法人の納税額のほうが少ない結果となりました。

これは、前述の税率と給与が関係しています。

個人事業主の場合、本人への報酬は経費になりませんが、法人の役員報酬の場合は一定の要件を満たせば経費にすることができます。

代わりに、社会保険料の負担など新たなランニングコストの発生する点には留意しましょう。

 

事業拡大または新規事業の立ち上げ

既存の事業を一気に拡大したり、新規事業立ち上げの足がかりとして会社を設立することは、有力な選択肢のひとつです。

法人化することで、取引先の拡大がしやすくなるとともに、それに対応するための人材の確保もしやすくなります。

 

法人成りで気を付けるポイント

個人事業主から法人化する手続きの上で、注意しておくべき事項がいくつかあります。

まず、棚卸資産はそのまま引き継ぐことはできず、一般的に個人から法人への売却として扱うことになります。この際の固定資産の譲渡による所得は、事業所得ではなく、譲渡所得になります。

また、消費税の納税義務者である場合は、一定の固定資産の譲渡に係る消費税を消費税申告に含める必要があります。

 

副業で法人成りする場合の専任資格

副業の規模が大きくなったから法人化するというような場合は、本業で勤務している会社での専任資格に注意が必要です。

たとえば、本業の不動産会社に専任の宅地建物取引士として勤務している場合、宅建業法上はほかの会社の代表取締役になることができません。この場合は、家族を代表者とするといった対応が必要になります。

影谷トモ
本業で登録している国家資格がある場合については、自ら立ち上げた会社の代表者になれない可能性がありますので、必ず事前に確認しておきましょう

おわりに

いかがでしたでしょうか。法人成りは節税や会社の信用度UPにつながるメリットもありますが、会社を運営していく責任が個人事業主より一層高くなるという印象もありますよね。

法人化でどれだけのメリットが今後の経営に反映されるかを見極めて行動するようにしましょう。

また法人成りの手続きは簡単にできそうに見えてつまづくこともありますから、税務上の手続きなどを知りたい場合には、税理士や会計士に相談すると的確なアドバイスを受けることができます。

個人事業主から法人化をしたのであれば、顧問税理士をつけてあなたの経営を盤石にすることをおすすめいたしますので、参考にしてみてください。

本日もご覧いただき、誠にありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

影谷(かげたに)

執筆者【経歴】関西出身 ▶︎年商2億円の事務所経営経験(芸能関係/10年) ▶︎国内ポピュラーコンサート・イベント運営企画 業務に携わっています▶︎ Blog「黄金の知恵袋」 (最高月3万PV )運営 ▶︎ 元・超あがり症 ▶︎ ビジネスに関する税対策や経営実務が得意です ▶︎伝えたいこと:自分がビジネスマンとしてレベルアップしたときに経験した知恵と面倒な経営実務や財務処理、税の対策を中心に「経営で頑張る人」に悩みとその解決策をお伝えしています。▶︎メッセージ:このブログのビジネステクニックや思考力を実践して一流のビジネスパーソンを目指してください!