給与計算って難しい?給料の計算方法を簡単にわかりやすく説明します。

給与計算って難しい?給料の計算方法を簡単にわかりやすく説明します。

お悩みの人
事業をはじめました。従業員の給与計算ってどうすればいいでしょうか?

はじめに

こんにちは。影谷(かげたに)です。

事業を始めて経営者となると、従業員やスタッフに対しての「給与の支払い」が必要になります。

以前、人件費の計算方法の記事をご紹介しましたが、今回は具体的に「給与計算」についてご紹介します。

給与計算業務は、従業員からの信頼度や社会的な信用に関わるため、給与を計算する経理や人事担当者には正確な作業が求められます。

「あ、ごめん、まちがえてた!」では済まされません。

私が知っている経営者が給与計算を間違えて1年間分の給与を必要以上に多く支払っていたことが発覚し、次年度からの給与から修正額を天引きするという暴挙にでて大変な事になりました。

当事者スタッフの信頼関係が無くなるばかりでなく、従業員全体からの信頼もなくなり(貴重な人材も流失)、それが発端となって税務署や労働監督署などの検査などあり、大炎上したのです。

それぐらい「給与計算」とは重要なものなので、今回の記事で間違えないポイントも含めて10分でお伝えしたいと思います。

合わせて読みたい → 人件費を簡単に計算する方法

人件費を簡単に計算する方法

こんなお悩みを解決します。

本記事の内容

 給与計算とは

 給与計算業務の流れ

✔ 給与計算方法

 効率的な給与計算をするには

✔ わからなくなったら専門家に聞いてみよう

記事の信頼性

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。
現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。
特に対面営業と経営実務に関することを追求することが好きです。

給与計算とは

給与計算とは、被雇用者(従業員)の給与支給額を計算する業務のことです。

給与はその人を雇ったときに定められた契約金額を毎月支給するだけではなく、月々の勤務状況(欠勤など)、各種手当てや交通費などを付加し、さらに所得税などの税金や各種保険料などを控除して、実際の支給額を支払います(手取りっていうやつですね)。

また雇い主が給与計算を正確に行うためにも、従業員を雇用したときには税金や保険料に関する書類に記入・提出してもらう必要があります。

特に扶養親族の詳細を記入した「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や前職の「源泉徴収票」は、給与計算に影響がある書類なので、忘れずに提出してもらうようにしましょう。

従業員に提出してもう書類
  • 履歴書、職務経歴書
  • 住民記載事項証明書
  • 源泉徴収票(前職にて給与収入がある場合)
  • 給与所得者の扶養控除等申請書
  • マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード
  • 年金手帳
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 雇用保険被保険者証
  • 通勤手当支給申請書
  • 口座振込依頼書
影谷トモ
このあたりの書類が全て揃わないと給与計算が滞りますので速やかに提出してもらいましょう

 

給与計算業務の流れ

ここではまず給与計算業務の一連の流れを確認しましょう。

給与計算の流れ

1.基本情報整理 →

2.勤怠情報集計 →

3.給与計算 →

4.給与明細書の作成 →

5.社会保険料、源泉徴収税の納付 

といった順に行います。

基本情報整理

給与支払いの基本情報を整理します。ポイントとなるのは以下のような点ですね。

給与支払いの情報整理ポイント
  • 法改正
  • 人事異動
  • 昇給・降給
  • 扶養家族の増減
  • 氏名や振込先の変更
  • 通勤手当など、各手当の変更
  • 就業規則や給与規定の変更

従業員から修正の報告を受けるものもありますが、雇い主側は法改正を特に注意しましょう。

法改正は頻繁に行われているため、確認を怠ると給与額に影響が出てしまう可能性があります。新しい制度のスタートや既存の制度の廃止などにすぐに対応できるように、改正後の内容をしっかりと把握しておくことが大切です。

影谷トモ
このあたりの法改正はネットでも調べればでてきますが、その都度調べてられませんのでで社労士さんや税理士さんなどの税のプロに相談すると早いですよ

勤怠情報集計

出勤日数や勤務時間の情報をまとめて集計します。そのためにタイムカードや出勤簿を活用しましょう。

ほかにも、時間外勤務や休日出勤の手当、歩合給がある場合はその算出も行います。

勤怠情報の集計は、給与計算の基盤となる部分なので、集計漏れがないように注意しましょう。

給与計算 ※控除金額などの詳細説明は下記に記載

勤怠データをもとに、総支給額と控除額を計算し差引支給額を算出します。

詳しい計算方法は後述しますが、総支給額、控除額ともにミスのない計算が求められる重要な部分です。特に控除額に含まれる税金や保険料は、計算ミスがあると訂正処理に手間がかかるので、注意しましょう。

給与明細書の作成

給与明細書とは、給与の内訳を記した書類のことで、勤怠情報や控除額などを細かく記入します。

影谷トモ
決まった給与入力のフォーマットがないため、エクセルやテンプレートを活用しても良いでしょう。ネットで「給与明細書・テンプレート」で検索すれば無料のテンプレートも手に入りますし、給与計算ソフトなどを活用するのも良いでしょう。
給与明細書
 

社会保険料、源泉徴収税の納付

従業員に給与を支払った後に、給与から天引きした社会保険料と、源泉徴収した所得税および住民税を期限内に納付します。

納付期限

1.社会保険料 「翌月徴収・翌月納付」※月末まで

  ※たとえば6月分の保険料は翌月の7月の給与から徴収し、7月末に納付します。

2.源泉徴収税と住民税 「給与を支払った月の翌月10日までに納付

納付には所定の書類を使用します。必要事項を記入して、管轄の税務署か金融機関で納付しましょう。

影谷トモ
なお源泉徴収税には「納期の特例」があり、給与の支給人員が常時10人以内の場合は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申込書」を税務署へ提出すると、納付を年2回に減らすことが出来ますよ。

 

では具体的に給与計算作業のスケジュールを確認してみましょう。

例:勤怠の締日が毎月15日、支給日が当月25日の会社の場合

給与支払いスケジュール

1.【基本情報整理を整理しよう】※15日(締日)まで : 人事異動・昇降給・扶養家族増減・氏名、振込先変更など

2.【支払い情報を集計しよう】※15〜17日ごろまでに:勤怠(出退勤、遅早欠勤、休暇)、歩合給の算出基礎

3.【給与計算および明細の作成をはじめる】※18〜20日ごろ:支給額・控除額の計算、管理資料・給与明細の出力

4.【給与振込の手配をしよう】※21〜24日:インターネットを利用した振込みシステムの予約入力や現金の準備など

5.【給与を支給する】※25日:振り込みや手渡し(現金)

6.【社会保険料の納付する】月末までに ※労働保険料は年1回または年3分割の支払い

7.【源泉徴収税の納付】翌月10日までに:源泉所得税、住民税の納付(納期の特例に該当する場合を除く)

影谷トモ
毎月の作業なので追われるように処理を行わなければなりません。社会保険料や源泉徴収税の納付が遅れると延滞料などが発生するので月のルーティン作業として行い、適正なスケジュールづくりが必要です。

 

給与計算の方法を詳しく説明します

給与計算の詳しい方法を、

1.「総支給額」

2.「社会保険料」

3.「所得税・住民税(源泉徴収税)」

4.「差引支給額」

に分けて説明します。

総支給額の計算

総支給額は「固定給与」と「変動給与」の合計額です。

固定給与は、基本給や役職手当など、毎月の支給額が一定に支払われる給与のことです。これは雇い主側と従業員で交わした雇用契約書で決まっている給与額なので毎月同じ金額となります。

変動給与とは、残業手当や深夜手当など、月ごとの支給額が変動する給与のことです。出来高払いやインセンティブといった給与も変動給与に含まれるため、その都度算出する必要があります。アルバイトの時給額もこれにあてはまります。

算出した変動給与額に固定給与額を足した金額が、給与の総支給額となります。

 

時間外労働の支給額について

時間外労働の支給額は、以下の計算式によって求めることができます。

残業(時間外)労働の支給額計算法

時間外労働の時間数  

   ×  

1時間あたりの賃金(※1)  

   × 

1.25(割増率)(※2) 

=残業代

(※1)1時間あたりの賃金は「月給(A) ÷ 1か月あたりの平均所定労働時間(B)」で算出

  • (A)月給(固定給)

    基本給に役職手当や資格手当などの諸手当を合計した金額。ただし、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超えるごとに支払われる賃金(賞与等)のような労働と関係の薄い手当については含めない。
  • (B)1か月あたりの平均所定労働時間 「{(365日 – 年間所定休日数) × 1日の所定労働時間数 }÷ 12か月」

(※2)割増率

  • 法定時間外労働…25%以上
  • 深夜労働(22時から翌5時までの労働)…25%以上
  • 休日労働…35%以上

法定労働時間は、1日8時間・週40時間と定められいるため、それを超える場合は上記のような率で算定することが定められています。

影谷トモ
休日労働は、法定休日に労働した場合が対象となります。法定休日以外の休日に働いた場合は法定時間外労働に該当するため、割増率は25%となります。企業により割増率が上回る場合があるので、きちんと給与規定で確認しましょう。

 

社会保険料・労働保険料の計算

社会保険料は「健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料」というものが基本的です。

 

1.健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料

健康保険料と厚生年金保険料は、事業主と従業員で折半して負担することになっているので、給与から徴収する保険料は、以下の計算式で求めます。

健康保険料・厚生年金保険料
標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2

「標準報酬月額」とは「4月〜6月の3か月間の1か月あたりの平均収入」のことです。これには基本給のほか、残業手当や家族手当、通勤手当といった諸手当も含まれます。

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よく4〜6月に残業すると翌年の保険料が上がるから嫌だ!と耳にしたことはありませんか?これがそのからくりですね。

「保険料率」は健康保険は加入する組合ごとに定められていて、全国健康保険協会(東京支部)の場合は9.87%となります。40歳以上の場合は「介護保険第2号被保険者」となるため、11.66%です。

厚生年金保険は全国一律で18.3%の保険料率です。

 

2.労働保険料(雇用保険料)

雇用保険料も事業主と従業員がそれぞれ負担します。※年度ごとに保険料率の更新がされるので注意しましょう。

一般の事業では、給与から徴収する従業員負担分の保険料は、以下のように計算します。

従業員負担分の保険料

例:一般の事業・2020年度の雇用保険料率の場合

賃金(※) × 3/1000 = 雇用保険料(従業員負担分)

※基本給、残業手当、家族手当、住宅手当なども含む源泉徴収税や社会保険料を控除する前の総賃金額のこと。

 

影谷トモ
なお、労災保険は全額事業主負担なので、計算に含めないようにしましょう。

 

源泉徴収税の計算

給与から源泉徴収する所得税と住民税の計算をします。

源泉所得税

源泉徴収税額は、支給額から通勤手当と社会保険料の合計額を差し引いた金額をもとに算出します。支給額に含まれるものは、基本給と残業代、課税対象となる手当です。

源泉所得税の計算法

支給額(基本給+残業代+課税対象の手当)– 通勤手当 – 社会保険料の合計額 = 源泉所得税額

上記の式で算出した金額を、下記の「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に当てはめて求めます。なお「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している従業員は「甲」欄を、提出していない場合は「乙」欄を参照します。

このフォーマットは国税庁の源泉徴収税額表のページからダウンロードできます。

この税額表は毎年1月に改訂されるので、1月分を源泉徴収する際には注意しましょう。

影谷トモ
なお、年末には「年末調整」という形で、天引きした源泉所得税と実際納めるべき源泉所得税との差額を精算する必要があります。
給与所得の源泉徴収税額表(月額表)

 

住民税(特別徴収)

毎年5月ごろに市区町村から送られてくる「住民税課税決定通知書」に従業員の住民税額が記されているため、特に計算は必要ありません。

通知された金額を給与から差し引いて、翌月の10日までに納付しましょう。

なお、事業主が従業員の給与から差し引いて納める義務があるのは、特別徴収の住民税のみです。

従業員が「普通徴収」の選択をすれば、従業員が自ら住民税を納めますので、給料から天引きする必要はありません。

 

差引支給額の計算

最終的に従業員に支給される差引支給額は、以下の式で算出します。

給与差し引き支給額(手取り額)

総支給額  ー 控除額 = 手取り額

影谷トモ
控除額は、住民税と所得税、健康保険などの社会保険料の合計額です。その他に従業員が個別で雇い主側に負担してもらっているような月極駐車場代や社員食堂代、財形貯蓄などの控除対象があれば、それも差し引きしましょう。

 

給与計算業務を効率的に行う方法

給与計算業務は専門性が求められ、年末調整も含め計算する箇所も多いことから、慣れていないと多くの時間と手間がかかってしまいます

雇い主が本業をおろそかにして従業員の給与計算ばかりしていたら本末転倒なことです。

そこで、給与計算の効率化をはかるための手段として以下の方法があります。 

 

その1 給与計算ソフトを活用する

小規模の事業所など、担当者が自分で行う場合には給与計算ソフトを活用して、給与計算業務を効率化するのはいかがでしょうか。

給与計算ソフトにも多くの種類があるため、それぞれの業界の特徴にあったソフトも多様にあるのであなたの経営する事業にピッタリの給与ソフトもあると思います。料金、導入コストなどをふまえて、適切な給与計算ソフトを選びましょう。

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やよい会計は日本の経営者の2人に1人が使用しているという実績がある会計ソフトです。その操作性や汎用性の高さから経営者や事業主に選ばれ続けている安心の給与明細ソフトです。

やよいの給与明細オンラインはこちらから → やよいの給与明細 オンライン

 

その2 代行(アウトソーシング)業者へ依頼する

給与計算を代行してくれる業者もあります。外部に委託することで、給与計算業務にかかる人件費や時間のコストを削減できる可能性もあります。とにかく給与計算業務のみを依頼したい場合には、専門業者にお願いするとよいでしょう。

影谷トモ
代行業者に頼むと格段に面倒な処理が削減できます。雇い主が本業に専念するなら給与計算は外部で依頼するのも一つの手です。自分にぴったりの業者をさがすなら紹介サイトを活用することもいいでしょう。

給与計算の業者紹介サイトはこちらから → あなたにぴったりの給与計算代行会社がわずか1分でさがせる!

 

その3 専門家に依頼する

給与計算自体は資格を持っていなくても代行できるのでそのような業者に任せることもできますが、給与計算には社会保険や税務関係の作業が発生するので、その他一切を任せてしまう「税理士」や「社労士」にお願いすることも検討してはいかがでしょうか?

専門家といえる「税理士(会計士)」「社労士」に依頼した場合のメリットとしては、計算ミスの心配がないことに加え、法改正への対応も迅速に行っているため、最新の法令に対応した計算を行えるという点ばかりでなく、経営のパートナーとしてその他一切の会計処理や節税対策、融資対策などの相談にも乗ってくれます。

税理士(会計士)の場合は年末調整を、社労士であれば社会保険関係の手続きも合わせて依頼することができますし、単発契約(スポット依頼)ではなく顧問契約をすると、あなたの事業の経営状況をすべて相談できる「良きパートナー」になってくれます。

影谷トモ
専門家である「税理士(会計士)」は本当に頼りになりますよ。あなたが良質な経営を望まれるなら早期の税理士や社労士との顧問契約をおすすめします。私が一押しの顧問税理士(会計士)は下記のページで紹介しています。

コストパフォーマンス最強の顧問税理士(月額9,000円〜で決算料別途必要なし!) → 新田会計事務所のページはこちら

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?「意外にも簡単!」と思われる方も「やはり難しい・・・」と思われる方もいたかもしれません。

給与計算は雇い主にとって毎日頑張ってくれている従業員のための絶対欠かせないルーティンワークです。

給与ソフト、代行業者、経理担当に任せる、顧問税理士に任せる・・・方法はいくらかありますが、経営者としてはその「数字」を絶対に把握しておくこと。

従業員の働き方がこの給与計算から見えてくることも多大にあります。

経営者・事業主として最大のパフォーマンスが発揮される選択ができるように努めることが重要ですね。

本日もご覧いただき、誠にありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

影谷(かげたに)

執筆者【経歴】関西出身 ▶︎年商2億円の事務所経営経験(芸能関係/10年) ▶︎国内ポピュラーコンサート・イベント運営企画 業務に携わっています▶︎ Blog「黄金の知恵袋」 (最高月3万PV )運営 ▶︎ 元・超あがり症 ▶︎ ビジネスに関する税対策や経営実務が得意です ▶︎伝えたいこと:自分がビジネスマンとしてレベルアップしたときに経験した知恵と面倒な経営実務や財務処理、税の対策を中心に「経営で頑張る人」に悩みとその解決策をお伝えしています。▶︎メッセージ:このブログのビジネステクニックや思考力を実践して一流のビジネスパーソンを目指してください!