■目次
再上映中の「風の谷のナウシカ」を映画館で観てきた。ナウシカから読み解く人望術
はじめに
こんにちは。影谷ともです。本日は雑記です。
現在、TOHOシネマズでジブリ過去の4作品が再上映されています。
「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ゲト戦記」です。
そのうち、昨日私は「風の谷のナウシカ」を鑑賞してきました。
大変古い作品で1984年に一般公開されたものです。ロードショーの時はまだ映画なんて観れる年齢ではなかった私なので、あの不朽の名作を大型スクリーンで観れる絶好のチャンスと映画館へ赴きました。
ナウシカ以外の3作品は割と最近なものなので、皆さんにもぜひ「ナウシカ」を鑑賞してもらいたいです。
※あと個人的には「紅の豚」もロードショーしてほしい。
余談ではありますが、ナウシカの声優役を務められた島本須美さんとお仕事を一度したことがありました。
それ以降、ナウシカを観るたびに島本さんの顔しか出てきません…。ナウシカショックです。
※でもあの時やっぱり恥を偲んでサインをもらっておけばよかった。。。

本日はその映画「風の谷のナウシカ」にまつわる話をお伝えしたいと思います。
✔記事の信頼性

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。
現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。
風の谷のナウシカは映画と原作ではぜんぜん違う?
まずはじめに映画「風の谷のナウシカ」には原作である漫画が存在していることをご存知でしょうか?
金曜ロードショーでTV放送されているので何度も映像では観ている人は多いと思いますが、意外にもその原作が存在していることを知らないという人もいらっしゃるでしょう。
実は「風の谷のナウシカ」にはアニメーション監督・演出家でもある宮崎駿監督が、徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて1982年からスタートさせ1994年に完結させた超大作の原作があります。
4度の中断があったようですがそれでも12年、全7巻にものぼる大作漫画。
その原作をもとに製作されたのが映画・「風の谷のナウシカ」です。
1.映画はだいたい1巻程度の内容
映画では風の谷に暮らす部族とその族長の娘「ナウシカ」のもとに列強国・トルメキア軍が巨神兵の復活のために侵略されるように描かれています。
そしてトルメキア軍を全滅させるためにペジテ市に住む部族が王蟲(オウム)の幼生(子ども)を利用し、王蟲の大群を誘導させてトルメキア軍が駐留している風の谷を襲わせようとします。
それを主人公・ナウシカが食い止めるというあらすじですね。
このようにかなりの省略はしましたが、書き出してもこのぐらいのボリュームなのです。
そう、だからこそこの話は全7巻からなる原作の1巻目程度のボリュームなのです。
そしてよく考えてみてください。
原作漫画が発行されたのが1982年、映画化が1984年。
すなわち、原作が完結していないタイミングでの映画化です。
だからこそ話の展開が今後宮崎監督の采配次第で内容が変わってしまうため、映画では物語の核心には触れずに、第1巻程度の内容で映画化したのです。
映画から先に「風の谷のナウシカ」を知った人は(多分ほとんどの人がそうだと思う)、原作を読むとその内容の長さと奥の深さにびっくりしたことと思います。

2.風の谷はトルメキアの属国
映画では風に谷は独立した国のように描かれています。また侵略されたペジテ市も同じくトルメキアとは敵国のように扱われています。
しかし原作では風の谷、ペジテ市はトルメキア帝国という巨大国家に属する国としての扱いになります。※辺境諸国を傘下にしている。
正確には古い昔の盟約でともに戦うという対等国ということではありますが、それでも属しているのはトルメキア帝国ということになるでしょう。
映画では「トルメキアvs風の谷やその他の国」、という位置づけになっていますが、原作ではトルメキアともう一つの大国「土鬼諸侯国連合(どるくしょこくれんごう)」との戦いが争点となります。

3.巨神兵の扱いが映画では「かませ犬」、原作では「神」
「火の七日間」戦争に使われ、高度文明が滅びることとなった兵器「巨神兵」。
映画でも原作でも巨神兵の存在はとても重要な位置にあります。
しかし扱われ方が違う。
映画で描かれた「巨神兵」は復活するやいなや始めから化け物扱い。そしてビーム砲2発打って朽ち果てます。
とっても雑な扱い。まさに「かませ犬」と言っても過言ではないでしょう。
しかし原作で描かれている巨神兵はまさに「神」。
高い知能を持ち、復活者「ナウシカ」を母のように慕い、行動をともにします。
巨神兵の違いを読むだけでもナウシカに対する考えが全然変わってきます。

4.王蟲(オウム)がスゲー語りかける
私が原作とのギャップで感じたことの違いにこの「王蟲」もあります。
映画では王蟲の存在は超越的な存在では描かれていますが、その知能の高さや神秘性は原作ほど描かれていません。
原作ではこの王蟲がナウシカに語りかけること、語りかけること。
その方法がテレパシーのような、念波のような…。そして人間以上の知能と行動力を持ち合わせ、朽ち果てた世界の鍵を握っているかのようです。
そんな風に思ってたんだったらもっとナウシカ助けてあげてよ!と思っちゃうぐらい。
しかしそこが王蟲の魅力でもあるのでしょう。

5.クイもカイも大活躍
腐海・最強の剣士「ユパ様」が引き連れていたトリウマと呼ばれるダチョウのようなドードー鳥のような人が乗れる鳥。
クイ・カイと呼ばれ、映画ではユパ様と荷物を運んでいるだけの描写しかありませんが、実はこの鳥たちも原作では大活躍します。
そして驚くことなかれ、この鳥はツガイでクイ(メス)、カイ(オス)なのですよ。
そのシーンも原作では楽しむポイントです。


6.クシャナ殿下はとっても魅力的な女性
映画で描かれたクシャナ殿下は非道の指揮官という悪役的な描かれ方をしています。
王蟲の大群の前に部下が我先と逃げだすところなど、指揮官としての人望も無いように映ります。
しかし原作のクシャナ殿下はそんな人物ではありません。私、このキャラクター大好きです。
原作のクシャナ殿下はトルメキア国の唯一の正統な血を継ぐ皇女のお姫様です。
国を乗っ取られ、新王とその息子3人から疎まれ、それでも国のために戦います。
直属の部下たちからは命を賭して守られ、忠誠に厚い部下たちにいつも慕われています。
原作で描かれる人間味のあるクシャナ殿下はとても美しく描かれています。

7.エンディングが違う
今回、映画をちゃんと観てよくわかりました。
原作と映画とではエンディングが違います。
原作では最後に「ナウシカ」は風の谷に戻らず、戦いの場所となった土鬼(ドルク)に残ったという話や、チククという子どもが成人してから風の谷に戻ったと伝わるとして、終えています。
しかし映画ではナウシカは最後のシーンで風の谷の住民とともに宴をしたり、ナウシカが子どもたちにメーヴェという飛行機のような乗り物の乗り方を教えていたりと、風の谷に留まり住民とともに末がなく幸せに暮らしていくような雰囲気で終わります。
私は映画のシーンでここが一番感動しました。
原作のエンディングがどうもしっくり来なかったので、やはりナウシカには風の谷に戻って欲しいという願望から、映画版のほうが最後は好きですね。
ナウシカから読み解くリーダーとしての人望術
ナウシカはもちろん、登場するキャラクターたちから「リーダー」としての人望術を読み解くことができます。
原作ではリーダーとして、
ナウシカ(風の谷・族長の娘)
クシャナ(トルメキア・皇女)
ヴ王(トルメキア国王)
ミラルパ(土鬼諸侯国連合・神聖皇帝(皇弟))
ナムリス土鬼諸侯国連合・神聖皇帝(皇兄))
チヤルカ(土鬼軍司令官・平民出身の僧兵)
など、魅力的なキャラクターが登場します。
それぞれがそれぞれの立場でリーダーとして考えを発揮し、功績や失策などが描かれます。
どれも魅力的でどれも「完全な悪」というものは存在しません。
そして素晴らしいのは、その人物像はみんな「ピュア」であるというところ。
私はリーダーとしての資質としてこの「ピュア」という部分が絶対的に不可欠と考えます。
ナウシカはピュアの塊ですが、悪の権化のように思われる敵国・土鬼の皇帝たちにすら、その「ピュア」な思いから発生する物語が多分にあります。
ジブリ作品とはそのピュアを表現した物語なのだろうと思いますが、そこに登場するリーダーたちもまた「ピュア」なのです。
映画をご覧になったらもう一度「原作」でその素晴らしさに触れてみるとなお一層面白くて、これからの生き方に吸収できるものがあるかもしれませんね。