■目次
市場調査のやり方【方法を徹底解説】

はじめに
こんにちは。影谷です。
本日は私が実践していた市場調査の仕方についてご紹介します。
あなたのなされている事業は店舗型でしょうか?それともネット系販売ツール系でしょうか?
店舗型の場合、その売上を左右するのはその立地条件ですね。
出店のマーケティングの見極めが、あなたの夢を叶えるための一歩となるはずです。
慎重になればなるほど、何を信じて良いかわからなくなるものです。
今日はそのマーケティングの第一歩である「市場調査」についてのビジネス思考力をお伝えいたします。
こんなお悩みを解決します。
✔本記事の内容
✔ 新規出店をやるには。
✔ 市場調査のやり方
✔ 最終的に必要なものは
✔記事の信頼性

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。
現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。
特に対面営業と経営実務に関することを追求することが好きです。
新規出店をする前に
新規出店をするためには、収益性の高いエリアを選ぶことは当然でしょう。またそのための情報収集が欠かせません。
初めから「いや、トントンの収支で良いし。」という方がいるかもしれませんが、そういう公益法人的な考えはあなたの「夢」ではないはず。
出店・新規開業をするなら、大きく夢を持ちたいと私も思います。
まずはじめに必要なものは「出店調査」と言われるのものです。
出店のための必要な情報、 ①商圏調査、②立地調査、③競合店調査などが主なものでしょう。
①の商圏調査は、商圏を設定し、その地域内における人口や世帯の変化の推移、世帯年収、家族構成などをリサーチすることです。その街の人の動き、流れなどを把握することが重要です。
②の立地調査は、店舗の周辺環境、アクセスの利便性などを確認します。出店される店舗にマッチングする環境を確認します。
③競合店調査は、競合店の存在の有無ですね。それに加え、競合店の売上高や既存顧客に関する情報等をリサーチします。
これらの調査がちゃんとできれば、ご自身の店舗が実際に出店されたときの『予測』はとてもイメージしやすくなります。得られた情報で実際に出店を行うかどうかの判断に大いに役立つでしょう。
しかしこれが簡単にできるのであれば誰も苦労しません(笑)。
商いを行うための嗅覚やセンスが試される「出店調査」。
全国に大手チェーンを展開するファミレスやファーストフード店はその資本力を武器に多額の費用を投じ、この調査を行っています。
一方で我々のような志は高くても「お財布空っけつ」は、不動産屋やデベロッパーの情報を鵜呑みにして出店を行いがちです。
当然のことながら、その結果の成功率には雲泥の差がでてしまいます。
新規店舗を成功させためには、出店調査は不可欠です。
出店調査で出店候補先周辺の消費者の動向、経済状況、交通アクセスなどの様々な情報を集約しましょう。
大手に負けない出店調査を行えば、あなたの理想のお店を手に入れられるはずです。

影谷流・市場調査
ここで私流の市場調査をお伝えしたいと思います。
私の仕事は「伝統芸能」を広めること。
日本全国の街にお伺いし、舞台公演を開催することです。
おいおい、そんなこと言われてもわからないぞ…おまえ、何言ってんだ??
そんな声が聞こえてきそうです。
そう、こんな私の仕事、ぜんぜんピンと来ないでしょう(笑)
私の仕事はとってもレアな仕事でニッチな業種だったので、誰に説明しても理解してもらいにくいのです(笑)。
有形を販売する産業ではなく、無形の、言わば「水もの商売」という感覚でしょうか。
サービス業でありながらイベント業界でもありましたので、なかなか親近感がわきずらいかもしれませんね。
しかしながら、私は市場調査にはある一定の経験と実績があります。
それは私が全国の、どの街で公演を開催するか、その判断を独自の決断で行うための言わば「影谷流・市場調査」を実施していたため、自ずとそのマーケティングリサーチ経験が増えたからです。
私たちは仕事は言ってしまえば「どさ回り」。お客様を呼んでなんぼの世界です。
客席ガラガラは私(我が社)の死へ直結します。
この街で開催できれば、どれくらい人が入るか…そのためにチケット単価をいくらに設定するのか…まちにあった金額は?、どの世代をターゲットにする?、開催のための軍資金、助成金、補助金は?パートナーになる人(企業スポンサー)は?
そんなことを毎日考えていました。
つまりその街を訪れた瞬間から市場調査を行うのです。
これは僕らの職業病みたいなものでして、初めて訪れた街のホールの客席数を調べたり、街の主要繁華街の傾向を調べたり、どの政党が強い街であるのかなど、ついつい調べてしまう癖があります。それはプライベートの旅行先であっても(笑)。
私からすると公演開催地の設定は、皆様の店舗出店に近い感覚だと思います。
出店希望のエリアマーケティングを行い、世代ターゲットを絞った戦略を練る・・・。
私が開催した公演ではこれまで連続黒字決算を打ち出し、おかげで2億円という年商を上げれる事務所経営ができるようになりました。
この成果が出るようになったのは、売上を上げるための「市場調査」を徹底して行ったからでした。
市場調査8つのポイント
ここで私が行っていた市場調査の主な8つのポイントをお伝えしましょう。
もし私が店舗を構えたら成功するだろうなと感じる私なりの市場調査と嗅覚のポイントです。
市場調査でお金なんて全くかけることができませんでしたので、私が得た経験からの思考力です。
1.人口
まずこの人口数調査は外せませんね。大きいパイの方が高い集客率をあげられるのは事実です。私も出店(開催)を検討する上で必ずこの人数は把握していました。
売る物がによって、子供向け、大人向け、シニア向け、さらには男女どちらにアピールするかなどによって変わってきます。
ターゲットが決まっていれば、まず対象とする層の多い地域に選択肢を狭めていくのが常識です。
地域の住民に関する情報(年齢や性別、年収など)は地方自治体などが公表している情報もあり、これらを参考すればエリアの絞り込みに役立つでしょう。
私も初めて訪れる街で出店計画を練る場合は市役所へ直行していましたね。

2.交通利便性
立地を決めるにあたっては、アクセスのしやすさも重要なポイントです。
あなたの出店エリアは車をメインとした立地で探すのか、徒歩に重きを置いた公共交通機関を使って来店を行わせるのか。
地方であれば車での移動が中心です。商品の業態にもよりますが、駐車場の有無は車で来店したい顧客からすれば集客に大きな影響を与えるでしょう。
私の知り合いが50〜60代をターゲットにした「高級理髪店サロン」をオープンさせました。当初はプロモーションも好調で繁盛していましたが、自然に囲まれた立地で優雅に理髪というコンセプトのブランド化を行い、他社との差別化を図ったところまでは良かったのですが、その店はまさかの駐車場を完備していませんでした。
その店は遠方からの来店が多く、そのほとんどが車移動です。高級理髪店に通うリッチな人間が電車に乗って駅から徒歩20分も歩かないです。
結果、店の周辺で違法駐車が増え、近隣住民から警察へ通報。その店は住民から敵視され、常に近隣から監視されてしまう状況に陥り、顧客は激減。結局そのお店は2年で畳んでしまいました。
ブランド戦略は大変良かったのに、この立地設定を誤ったせいでこのような結果になったのです。

3.競合者を知る
出店を検討しているエリアの競合状況を出店調査はおさえておきたいところです。
まずは想定商圏において同業種の店舗がどの程度あるのかなどを調査します。また、競合店舗の状況を詳細に把握することも重要です。
外観はどうなっているか、取り扱っている商品は何か、接客態度はどうかなどの情報収集を行います。
私の場合、扱っている商材が「舞台芸能」でしたので、競合となる対象は多くありませんが、それでも競合者は数社あります。
その競合がどのくらいの割合で公演を開催しているのか、どの演目を実施しているのか、どのくらいの集客があったのか、それを調べることは大変参考になりました。
そして私の場合、競合者が多ければ多いほど、出店(開催)を行う傾向にありました。というのも、私たちも含め、競合が出店すればするほどそのエリアの顧客は私たちの商材を購入する確率が増えるのです。そう、畑を耕すように、競合同士がその「エリアの顧客を耕す=購入の敷居を下げる」という結果を生むからです。
今でも「ラーメン激戦区」なんて街がありますが、一般的に考えるとそのシノギ合いでお客の取り合いで売上が伸びなさそうというイメージがありますが、実はその逆です。
「ラーメン激戦区」ということは、ここに行けばどこでも美味しいラーメンが楽しめるということ。
そしてこのエリアで出店できれば、すでにお客が持っているラーメンを食べたいという「動線行動」が新規出店者であっても、そのお店へ行くという動機づけになります。
これは新規出店者であってもその、ブランドという恩恵をがあることでしょう。
ただし、舌の肥えたお客を満足させれれる腕と味がなければ、一気にその信用はなくなってしまいますが。いわば諸刃の剣ですね。
私の場合は、そのエリアの出店状況が多ければ多いほど燃えていました(笑)。商材に絶対の自信があったからです。

4.歴史を知る
その街の歴史を調査します。本当に歴史的研究。
それはなぜかというと、歴史を調べることによって、その街がどのように成り立ち、どのように歩んできたか。それを調べるだけで住んでいる人達の性格や行動が概ね掴めるからです。
戦国時代の背景、江戸時代の位置、近代の勃興、その街の有志や有名偉人・・・。
そのバックボーンを知ることで、とても大切なものが発見できます。
またその街の上層階級の方々は地主は地元の名士が多い。そういう方を味方に付けるためにも街の歴史を知ることはとても重要なのです。
ちなみに私が初めて訪れた街で行く場所は、市役所と図書館です。

5.商圏の特性を知る
商圏とは・・・
●第1次商圏……最寄品商圏などといわれ、お客様がほぼ毎日来店する可能性のある範囲を指し、一般的には徒歩で10~15分程度の距離。
●第2次商圏……中間品商圏などといわれ、週単位で来店する範囲であり、自転車で10~15分程度の距離。
●第3次商圏……専門品商圏などといわれ、月単位で来店する範囲であり、電車やクルマで30~40分圏。
ということが基本です。
あなたの商品がどのエリアからのターゲットを狙うか考えるうえで、商圏は重要。もし生活密着型だったら第1次商圏を重視する必要があるし、逆に娯楽系や特化型であれば第3次商圏でも構わないでしょう。
ビジネス街か住宅街かにも大きく左右されます。
私は商圏を知る上で駅乗降率をよく調査・観察していました。
私の商材は特化型で生活密着ではなく、一夜限りの水もので、言ってしまえば「お祭り」と同じでしょう。
お祭りには人が大混雑しても遠方から駆けつけてくれます。私たちで言えば出店は小屋となる商業ホールやコンサートホール。そのホールの商圏を観察して集客具合を判断します。
6.価格調査
価格調査は重要です。
その街の人たちが一般的に「高い」と感じる値段を調査します。
私たちの場合では「無料」というイベントやコンサートがあると、出店を見送ることがありました。
無料(タダ)に慣れきった消費者は有料公演は100円の鑑賞チケットですら購入しません。
競合者の価格設定や公共事業イベントなど、その街がこれまで設定してきた価格を調査することが重要です。
アンケートを実施できるならそれに越したことありませんが、コストがかかります。
価格調査は地道に足で調べると意外に人脈も広がって◎になることも多いですよ。

7.キーマンの存在
私が出店するにあたって重要視するポイントの最大点は「キーマンとなる人が存在するか」という点です。
私は商売において「自分」対「人」の存在は必ず確認します。そして努力する自分を応援してくれる存在がいるかどうかというポイントは見逃しません。
必ず自分へ力を貸してくれる、自分を裏切らない「人」や「パートナー」がいれば、これは何ものにも代えがたい市場価値です。
私は芸能公演を開催(出店)する仕事でしたので、その支援者という存在は必須でした。※支援者なしで開催したことも有りましたが、やはり失敗するのです。
これは単にスポンサーをつけるということではありません。あなたの仕事を応援してくれる、あなたの商品のファンである、あなた自身のバックボーンがいる、それが重要なのです。
私も開催(出店)の際は、この存在の有無でジャッジしていました。「協賛金を支援してくれる」、「大量購入の上顧客である」、ということももちろん歓迎される市場価値ですが、私はそれ以上に、私の仕事の使命に共感をしてくれる人がどれだけいるか、どれだけ質の高い共感者か、ということを見極めていました。

8.覚悟を決めることができる価値があるか。背水の陣法
そして最後に私が重用する要素は「覚悟」です。
それは最後の覚悟を決めれる価値がそのエリアにあるかということ。
最終的には市場調査をしても、実際に出店してみないとわからないことだらけです。こんなはずじゃなかった、もっとうまく出来ると思っていた。
失敗をしないための「市場調査」ですが、結局は「人」がなす業。そう簡単に利益が出る仕組みを初めから完成できるはずはありません。
順風満帆に行くはずの事業で思わぬところでつまづき、挫折しかけたとしましょう。
その時、救ってくれるのは、やはり「人」です。
先ほどの7.でも記載したあなたにとっての「キーマン」は、最後まであなたの味方であるはず。その存在が最後まであなたを引っ張ってくれます。
そして、「絶対に諦めない」「絶対に負けない」という信念を持てる瞬間、それはそのキーマンの存在やあなたが譲れない覚悟(信念)を持ったときです。
揺るがない覚悟を持つため、背水の陣で最後まで「もがき・挑み・あがく」。そのために覚悟をもてる価値あることを見つけられる市場で勝負しましょう。

いかがでしたでしょうか。
私なりの市場調査8つのポイントをお伝えしました。
本当は細かいことポイントを挙げ出すと、14〜15ポイントになったのですが、あまりにも私の商材(伝統芸能)寄りで、マイナー思考だったので割愛しました。
あなたもぜひ市場調査をする際は参考にしてみてください。
「黄金の智恵袋」
本日もご覧いただき、誠にありがとうございました。