開業前の経費の扱い方。これも経費にできる?「開業費」を計上するときのポイント【解説付き】

開業前の経費の扱い方。これも経費にできるの?「開業費」を計上するときのポイント【解説付き】

お悩みの人
新たにビジネス(個人事業主)を始めます。開業するにあたり、準備などでお金を使いましたが、経費になるでしょうか??

はじめに

こんにちは。影谷(かげたに)です。

新しくビジネスを始めようという人がその準備に追われていて「あれ?これって経費で取り扱って良いんだっけ?開業届もまだなんだけど…」という悩みは多いと思います。

もちろん、事業で支出やその事業を始める前の費用も経費として計上することができますよ。

開業前の支出は開業費といいますが、開業前の支出なので案外と計上を忘れがちなのです。

今回は、これから独立開業を予定している個人事業主の方へ、どのような費用が「開業費」として認められるのか、どのように会計処理をすれば良いのかをご説明したいと思います。

本記事の内容

✔ まずは開業届を出そう

✔ 開業費って何?

✔ いつから開業費用として計上できる?

✔ 会計処理の仕方

 

記事の信頼性

 

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。

現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。

特に対面営業と経理実務、税に関することを追求することが好きです。

まずは開業届を提出しよう

開業費を考えるうえで、まずは「開業日」について正しい認識を持っておくことが大切です。

開業日がいつなのかということをはっきりしておかないと、「いつから開業したのか」「どこまでが準備なのか」ということががわからなくなり、開業までにかかった費用の線引きもわからなくなります。

個人事業の開業日はとっても簡単。税務署へ「開業届」を提出するだけ。

このとき開業日を求めらます。

開業届とは正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類で、「税務署に開業した旨を知らせる」ための書類です。

ちなみにこの開業届、「できれば開業日から1か月以内までに出しましょう。」というふうにざっくり決められているだけ。

開業届遅延にペナルティーはありません。1週間過ぎようが1か月を過ぎようが同じです。

なので、個人事業主となるあなたの意思で開業日を決めることができます。

ただし、開業届けを提出しないまま収入を得ていると理屈が合わなくなってきますので、開業する前、開業してからもできるだけすぐに開業届を出すようにしましょう。

そして、節税効果を見込める「青色申告承認申請書」 を検討される方は開業してから2か月以内に提出が必要となっているため、この日までには提出することが望まれます。

※↓青色申告で節税しよう。過去の記事を参照してください。

起業・経営に必要な税の豆 知識 その1

開業費ってなに?

開業費とは簡単に言うと「開業のために使ったお金」のことです。

「こりゃ、ラッキー!!なんでも開業費にして節税しよう!」と思うかもしれませんが、そこは注意が必要。

「開業費になるもの・ならないもの」があるため、慎重に支出を考えてください。

開業費になる具体的な例

開業費は、「開業前に事業を行うために支払ったお金」です。具体的には以下のような費用が開業費です。

開業費になるもの
  • 書籍や調査などの資料費用
  • 免許業種の許認可取得費用
  • オフィスやテナントなどの契約費、改装費用
  • 名刺や印鑑などの作成費用、購入費用
  • ポスターやチラシ、パンフレットなどの広告宣伝費用
  • 飲食代や会議スペースなどの打ち合わせ費用

ただし、開業費は「特別に支出する費用」であるため、一般的には事業開始した後も継続的に支払うことになるお金(経常的な費用)は開業費に含みません。なお、事業内容はそれぞれで異なるため、個別具体的な相談は税理士さんや税務署などに問い合わせると良いでしょう。

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開業費にならない具体的な例

一方、「事業のために使っていないお金」や「事業のためであっても、開業費としては扱わないお金」と判断されるお金もあります。具体的には以下のような費用は開業費として認められません。

開業費にならないもの
  • 家事のために使った家賃、水道光熱費、通信費、交際費など
  • 30万円以上のパソコン等の購入費用など
  • 敷金や保証金といった返還されるお金など
  • 販売するために仕入れた商品や材料などの購入資金など

まず「家事に使ったお金」は事業に使っていないため、当然ですが必要経費に計上することができません。ただし、自宅を事務所として兼用している場合の特別に支出する費用にはあてはまる場合もありますので、その場合には、開業費として処理できる可能性もあります。

次に「30万円以上するもの」に関して言うと、これは固定資産として扱われます。この場合は税法であらかじめ償却期間が定められているため、そのとおりに処理しなければなりません。なお、「30万円未満のもの」であれば、開業費として含めることができます。

続いての「返還されるお金」の場合は、そもそもとして費用ではなく、「敷金(差入敷金)」といった資産勘定で処理されます。あくまでも一時的に担保として差し入れているだけであり、将来的に返還されるため、開業費には含まれないことになっています。

最後に「販売するための商品・材料」の場合は、費用ではあるものの、これらは「売上原価」として処理する決まりになっています。そのため、開業費に含めることはできません。

このように開業費の定義にあてはまらない支出の場合は、当然、開業費として処理はできないので注意をしましょう。

またこれ以外にも判断がグレーのものも多くあります。素人では判断できない支出や事業内容の独特な支出など、経費においても考え方が多岐に渡ります。

そういう場合には迷わずに税理士さんや税務署へ聞いていみることをおすすめします。

いつからの分が開業費として計上できるの?

では開業費はどれくらい遡って費用に含められるのか?、という悩みが出ると思います。

驚きですが、実は開業費は「開業日まで」という終点こそ決まっているものの、「いつから」という起点は決まっていません。

そのため、「開業のための費用」であれば、時期に関係なく計上できます。

ただし常識の範囲内で考えて、「10年前に開業のためのPR物としてチラシを刷っていました!」なんてことがまかり通るとは考えないほうが良いでしょう。

現実的に考えて「数か月から1年程度」が開業準備期間と言えると思います。

証明できる領収書やレシートはきちんと保管しておく

開業費を計上するにあたり、絶対に守っておきたいポイントが「領収書やレシートをきちんと保管しておく」という点です。

これは経営者となるあなたが今後の経営においても絶対に必要な習慣とすべきことですが、『証明できる書類=領収書』は会計処理を行う上で絶対必要不可欠です。

また税務署から指摘があった場合にもその必要書類として「領収書」の提出を求められる可能性が100%なので、もし無ければ経費として認められなくなります。

あと領収書は『原則7年』の保管義務がありますので大切に保管しておきましょう。

開業費の会計処理のしかた

個人事業主となるのであれば経営実務として「会計処理」を行わなければなりません。

いわゆる帳簿付けというやつですね。

では実際に開業費にあたる出費があった場合、帳簿上ではどのように処理をすればよいのでしょうか?

まずは開業費が「どの勘定科目になるのか」を説明したうえで、実際の会計処理の方法について説明いたします。

繰延資産として任意償却できる

開業費は”“という文字がつくため、一見すると費用だと思われがちです。しかし、実際は「繰延資産」という資産勘定に計上する決まりになっています。

繰延資産とは「支出の効果が1年以上にわたって及ぶもの」と定められています。

そのため、通常の費用とは区別されており、「最長5年」をかけて償却することが認められています。

また、開業費の償却方法は「60か月の均等償却」または「任意償却」のいずれかの方法を採用する必要があります。このうち任意償却であれば、繰延資産額の範囲内において必要経費へ計上できます。そのため、支出年に全額償却することや、全く償却しないこともできるので、利益額を調整するためにも繰延資産を計上できます。

開業費が発生した時と償却する時の帳簿付け

実際に開業費が発生したら、その取引を帳簿につけておく必要があります。たとえば「ホームページ制作のために1万円を支出した」場合は、以下のように仕訳します。

借方 貸方
開業費 / 10,000円 元入金 / 10,000円

この処理の貸方(右側)で使われている「元入金」とは、法人で言うところの「資本金」に相当するお金です。

つまり、事業主が自分の事業のために持ち出しているお金のことです。

なお、貸方には元入金以外に、「事業主借」という事業主から借り入れているお金や、すでに元入金の仕訳をしていれば「現金」で処理することもできます。

また、期末にその開業費を償却する場合は、以下のように仕訳を行います。

借方 貸方
開業償却費 / 10,000円 開業費 / 10,000円

この処理の借方(左側)で使われている「開業償却費」とは、開業費に対応している費用勘定です。

この勘定科目を使うことで、ようやく費用として計上できます。

なお、開業償却費の代わりに「繰延資産償却費」でも処理することが可能です。

基本的には開業費の償却には「開業償却費」を使って仕訳を行えばいいでしょう。

会計処理をするには便利な会計ソフトを活用しよう。

開業し、経営に乗り出すということになると日々の会計処理が必要不可欠になります。

開業費の仕訳だけでなく、開業してから発生する仕入れや売上の帳簿付け。

それをやらないことには確定申告も青色申告での節税も何もできません。

日々の積み重ねがあってこそ、良質な経営を行うことができ、あなたの夢実現に大きく舵を切れるというものです。

私が日々の会計処理でオススメするのは「弥生会計」のクラウド版。

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やっぱり開業の会計処理は複雑だ。そんな時はプロに相談しよう。

以上が開業に関する費用を経費として扱う処理の方法でした。

簿記の知識や会計処理を行う人であれば「あ〜簡単なことだわ〜」というのでしょうが、これまで経理経験のない方がこの意識を持つまでになるには少し時間が必要です。

「そもそも本業に専念したいのだから経理処理は誰かにやってほしい!」という人は経営のパートナーを持つことをおすすめします。

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ぜひこの考えも頭の片隅に入れておいてください。

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まとめ

開業前にその事業のために使ったお金であれば、基本的には開業費として計上することがわかりました。

また開業費であれば任意償却ができるため、やり方次第では大きな節税効果が得られることも可能です。

個人事業主・フリーランスの方が夢を叶えるためには、会計処理方法をしっかりとマスターして事業に役立ててほしいと思います。

場合によっては意固地にならず専門家である「税理士」さんにお願いすることも検討しましょう。

以上、本日もご覧いただき誠にありがとうございました。

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執筆者【経歴】関西出身 ▶︎年商2億円の事務所経営経験(芸能関係/10年) ▶︎国内ポピュラーコンサート・イベント運営企画 業務に携わっています▶︎ Blog「黄金の知恵袋」 (最高月3万PV )運営 ▶︎ 元・超あがり症 ▶︎ ビジネスに関する税対策や経営実務が得意です ▶︎伝えたいこと:自分がビジネスマンとしてレベルアップしたときに経験した知恵と面倒な経営実務や財務処理、税の対策を中心に「経営で頑張る人」に悩みとその解決策をお伝えしています。▶︎メッセージ:このブログのビジネステクニックや思考力を実践して一流のビジネスパーソンを目指してください!