■目次
経営者は孤独か

はじめに
こんにちは。
影谷(かげたに)です。
事業を続けていると、事業を経営している人は必ずと言って良いほど「苦難」という壁にぶち当たります。
これはその経営規模が大きい、小さい、個人でやっている・・・そういうことは関係なく、必ず等しく訪れるであろう試練でしょう。
そのような時、経営者であるあなたは悩みます。
悩みに大小あれど、他人から見れば「そんな些細なこと(笑)」と笑われようと、その壁にぶち当たっている本人は『この世の終わり』と感じるぐらいの苦悩に感じます。
事業で生じる「壁」は個人事業主でも上場企業の経営者でも関係なく、経営を続けている限り立ちはだかるものなのです。
そして、この苦悩を一人で抱え込むのか、それとも共有するのかによってもそのストレスは大きく違いますし、その苦悩の答えもそもそも変わってくることでしょう。
しかし、経営者とは孤独です。
なぜなら、どんなに悩みを打ち明けられる部下やパートナー、仲間がいても、その経営の最高責任者のTOPはあなたなのです。
どんなに相談してもその決断の責任はあなた自身に降り注ぐことなのです。
時々、家族経営的で事業の方針を社員皆で考えるという企業をお見かけします。
でも経営に口だけだして、責任は取らないなんていう社員を私は良しとは思いません。
これまでの記事でも書いていますが、「経営者とはそれだけ選ばれた者だけの存在」なのです。
あなたの決断は会社で言えば「神の手」です。神が迷える羊から説法されてどうするのでしょう。
私が経営していた事業所は中小企業に属し、お世辞にも大きな会社とは言えませんでした。
従業員は正社員が2〜4名、パートさん1名です。
毎日が苦悩の連続だったと思います。
決断、決断、決断・・・・
いつも判断することが多い、そしてその判断は会社を転ばすかもしれない、・・・
このストレスは私の胃に穴を空けました(笑)。
しかし経営者が頭を抱え、どうすれば良いかわからない八方塞がりの状態になってしまっては、会社の将来は絶たれてしまいます。
正しい決断を行うためにどうすれば良いか。
本日は私が行っていた「孤独に打ち勝つための問題解決方法」について、お伝えしたいと思います。
こんなお悩みを解決します。
✔本記事の内容
✔ 経営者の孤独との戦い方
✔ 孤独と向き合う
✔記事の信頼性

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。
現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。
特に対面営業と経営実務に関することを追求することが好きです。
孤独との戦い方① ノートに書き出す
私は学生時代からの癖なのかもしれませんが、とにかくメモをすることが多い人間です。
詳しいプロフィールでもご紹介しておりますが、私は学費を自分のアルバイトで払っている貧乏苦学生でした。
勉強で黒板に書き出される文字をノートに写すことは大嫌いでしたが、学費を払っているうちに変な癖がつきました。
それは学費が払えるように計画的に小遣い帳をつけだし、簡単な出納帳を自作し出したことです。
簡単に説明すると、例えば1ヶ月のアルバイト代から5,000円を必要経費を捻出したとします。
その時に出納帳へ支出5,000円と記入するのですが、私の場合はそれだけに留まりません。
その時にいつ、だれに、どこで、どんなことを、どんなふうに使ったのか。
また使ったお金のその後、それに対する私見、その展望・・・
そんな気持ち悪いことを出納帳にメモし出しました(笑)。
お金はありませんでしたが、時間だけは大量にあったので、暇つぶしにそのお金の動きに関する、なんでもないことでも書き留めたのです。
おそらく自分が血肉として稼ぎ出したアルバイト代をいとも簡単に社会に持って行かれたくなったというセコい発想だったのかもしれません。
しかしそれが、今になって「なんでもノートに書き出す」という癖付けになり、特にお金に関するメモを残すようになったのです。
これは社会に出てからも続けています。
社会人になってからは手帳にして持ち歩くようになりました。
また経営者になってからもこの作業で自分の頭の中が整理されてどれだけ助けられたか。
私のメモ帳はA4サイズの特大です。友人に居酒屋メニューと勘違いされて、勝手に開かれた事がありました(笑)。
それぐらい威圧感のある代物です。※↓下記イメージそのままです。


何でも書きます。
特にアイデアやチャート図は書き殴りました。
このメモをとる習慣が「経営者としての決断力」を確固たるものにしてくれるのです。
自分が迷ったり、悩んだりしたとき、その問題になった初期段階のメモがあると、初心に戻って再考できます。
その時の判断が間違っていたからこのような大きな事態になったと考えると、リカバリーできるチャンスは大きく開けます。
問題が起こってから人に相談するのが当たり前なのでしょうが、相談者も相手からの悩みが「最大点」の時に話されているから、意見や解決策も通過点での回答しか出来ません。
しかし、その問題の発端を知っているあなた、そしてそれをメモしたノートは、その時系列さえ正確です。
あなたが賢明であれば経営者として客観的にノートを見返し、最高のジャッジも出来るはずです。
「経営者は孤独」です。しかしもう一人の客観的な経営者を自分の中で生み出すことが出来れば、問題は解決出来ると思います。
孤独との戦い方② 物事の優先基準を分ける
じつは私はこの作業があまり得意ではありません。
よく会社でもスタッフから「忙しいのですから、作業効率のために同時で3つくらいこなしてもらえませんか?!」と愚痴を言われたこともしばしば。
私は1点集中型なので、一つの作業を一つずつこなすタイプなのです。
目の前の作業を来た順番にこなすというのが私の性分なのですが、しかしこれでは経営者は務まりません。
あなたにしてみれば、こんなこと当たり前と思うかもしれませんが、私にはこれがストレスでした。
そこで私が行ったことは優先順位をつけるという簡単な作業でした。
1.最重要課題
2.重要課題
3.課題
4.その他
経営に関する実務や業務、外交は1の最重要課題
人事やスタッフ教育、などは2の重要課題・・・・というように。
私の場合、事務所清掃や営業車の点検などもほっておいたら大切な1日を利用して率先して行ってしまうタイプでしたので、そのような事にならないように課題別で優先順位を決めたのです。
この作業も自分が孤独を感じる瞬間を減らせることに成功したと思います。
これは言い換えれば、「できること・できないことを切り分けて考える」という仕分けの作業なのです。
悩みの中には、
- 今すぐできること
- 今すぐできないこと
の2つがあると思いませんか。
例えば、「同じ営業スタッフに対して取引先からのクレームが増えている」という問題に対しては「人材教育に力を入れてクレームを減らす」ことや、あまりにも収まらないのであれば「問題の種となっているスタッフの担当替えを行う」ということもできます。
いずれも、今すぐに実行できることです。
しかし、本当にその営業スタッフの問題なのかというと、実は製品に問題があって商品そのもののクレームを受けているという場合もあります。
その場合には商品開発に修正を加えなくてはならない、企画事業への方針転換を行わなければならない、など、今すぐに判断せずに熟考せねばならない時もあります。
そしてこの問題はすぐに解決できることではなく、今思い悩い詰めても仕方がないことでもあります。
よって、これは「今すぐに解決できないこと」に分類されます。
いくら最重要課題の案件であっても「今すぐ解決できないこと」はどれだけ悩んでも、仕方がありません。こんな問題の優先順位は後になります。
まずは「今すぐ解決できること」に注力し、1つでも悩みの種をなくすことで、問題解決への大きな一歩を踏み出すようにしましょう。
※しかしこの問題をほったらかしておくと、がん細胞のように取り返しの付かないことになる場合があります。決して苦難から目を背けず、あくまでも最良の判断をするタイミングを考えるための思考力としましょう。
それから「自分の力ではどうすることもできない問題」というのも存在します。
これは以前の記事にも書きましたが、私が元あがり症で、そのあがり症を克服したときの思考力と同じ考え方です。
あがり(緊張する)ことの根本的理由は、「自分と接する相手からどう思われているかということが気になる」ということが原因なのですね。
つまりこれは自分の力ではどうすることもできない(相手の感情はコントロール出来ない)ということであり、そしてこの問題に対する解決策などは『無い』。ということに結論が至ります。
ということはどれだけ自分が緊張しようが、どうすることも出来ないからもう深く考えないようにしよう、ということになります。
そうするとやるべき事としての優先順位は当然下がり、その問題の課題は後回しになりますよね。
それだけでもストレスが減ります。
またこの考えは「天気」と同じでしょう。
天候のことを気に病んでもどうすることも出来ない。
農業を営む人にとって天候は事業結果に大きな影響を与えます。
しかし、自分の力で天候をコントロールすることは不可能なので、それについて悩んでも仕方がないわけです。
このように私は自分の経営者としての判断を行うための優先順位を明確に分けるようになり、いつでも最高の仕事を行えるように自分の中での基準をつくりました。
結果、判断するための時間も大幅に短縮でき、新たな思考力で物事を捉えることが出来るようになりました。
孤独ということは他人に頼れない判断事を常に求められる立場にあるということ。
少しでもその判断へのストレスを下げるため、そして心を落ち着かせての最良の判断を行えるように努めるようにしましょう。

孤独との戦い方③ 孤独と向き合う
最後にメンタルの話です。
孤独に打ち勝つためのテクニックは人それぞれあるでしょう。
そして私が声を大にして言いたいのは、「経営者の孤独は社会からの孤立ではない」ということ。
結果を出すために勉強する、相手に勝つために情報収集をする、資金調達のための根回しをする・・・経営者の孤独には対策を立てられるものです。
社会から孤立し、頼るべき人もおらず、孤独死する・・・そんな独居老人とは違います。
あなたは経営者として「選ばれた存在」。
その選ばれた存在の代償として、いわば諸刃の剣として「孤独」というものがあるだけなのです。
孤独というとマイナスのイメージかもしれません。
しかしこれを逆に思えば「絶対唯一の存在=神」と言っても過言では無いのです。
あなたは一国一城の主として自信を持って経営を行えば良い。
あなたが行う全ての行動が「最良」なのです。
私も以前経営してた会社を前任から任されたとき、長年勤務してくれていたパート事務員【50代ぐらいの女性】さんに「こんな若い経営者になって不安ではありませんか?もし不安と感じるようでしたら転職をされても構いませんよ。これからの経営がどうなるか全くわかりませんし・・・」と弱音を吐いたことがありました。
しかし事務員さんからは「何を弱気なことを言っているのですか!影谷さんはもっと経営者として堂々としていれば良いのです。そんな弱気な背中を見せてたら新入社員さんたちが迷走しますよ。私はむしろこんな若い経営者の下で働けることに未来しか感じません。今からワクワクしています。私も及ばずながらサポートします。頑張って下さい!」
この言葉にどれだけ励まされたことか(笑)。
私の経営スタート時は順風満帆とはとうてい言えるものではありませんでしたが、自分の行動に責任をもった仕事ができるようになりました。
孤独のように見えて、実は影ながら支えてくれる存在はたくさんいます。
何度もいいますが、経営者は「孤独」です。
しかし「孤独である」という覚悟を決めてしまうと、経営者としての行動をサポートしてくれる存在はたくさん見つかるはず。
一緒に働くスタッフ、経営者友人、同業者、銀行、弁護士、顧問税理士・・・
自分自身がリーダーであることを忘れず、自分自身の力で問題を解決に導こうとする姿勢があなたにあれば、きっと活路は見つかるはず。
ぜひ「孤独」に打ち負けず、しっかりとした経営ができるように頑張りましょう。

本日は「経営者は孤独か」ということについての思考力をお届けしました。
「黄金の智恵袋」
ご覧いただき、誠にありがとうございました。