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経営者は大変?起業して会社を経営をしてみた【得すること・損すること】

はじめに
こんにちは。影谷(かげたに)です。
起業して会社経営の代表者「社長」になると、様々な『得すること』と『損すること』があります。
サラリーマンと違って、経営者はその会社経営全ての責任者となるわけですが、その運営や方針は「社長」となるあなた自身が決めて良いということになるので、自分の理想のというべきカンパニーを築き上げることができます。
しかし、これから起業を考えている方においてはその実態は意外と知らないことも多いかもしれません。
もちろん会社の社長になると「得すること」というメリットもたくさんありますが、それ以上の過酷なデメリットと言える「損すること」があるようにも感じます。
個人的には「損があるから、良い見返りとして得することがある」という考え方のほうがしっくりくるようにも感じます。

✔記事の信頼性

この記事を書いている私は、過去に赤字経営だった事務所経営を黒字化し、年商2億円を売り上げていました。
現在も事業イベントプロデュースのビジネスに携わる傍ら、日本中の知識人から学んだ経営術を伝える当ブログを運営しています。
特に対面営業と経営実務に関することを追求することが好きです。
「得すること」

まずは、起業して会社経営をする社長になって「得すること」について解説していきます。
代表的な「得すること」と言えば、以下5つになります。
その1.会社のお金を自由に扱える
その2.社内では一番自分が偉い
その3.働く時間が自由
その4.「社長」「経営者」「代表」という肩書が社会で通用するようになる
その5.自分の経営方針が世間で通用するか試すことができる
というような感じでしょうか。
その1.会社のお金を自由に扱える。
やはり、一番最初に考えられる経営者になって「得すること」は、お金でしょう。
起業して個人事業主だろうが法人経営者だろうが、カンパニーの代表は会社のお金を自由に扱うことが出来ます。
会社であれば役員報酬として社長はその金額を自由に決めることができ、そして経費となる接待交際費や地代家賃、光熱費なども自由に使えるため、法に触れない程度に公私混同ができます(※きちんと税理士に相談した上で)。
例えば、自宅を事務所として法人名義で借りて家賃を経費で落とすことも出来ますし、外食した際のお会計や焼肉代、ゴルフなどの交遊費も全て経費で落とすことが可能です。(業績により上限あり)
私が経営を行っていた時はこの「経費」を湯水のごとく使っていました。
給与としての取り分は従業員のモチベーションのためにできるだけ均等に分け与えていたのでそこまでの収入ではありませんでしたが、経費の扱いだけは私が特権として何でも落としていました。生活費全般を経費でやりくりできていたので(もちろん税理士と相談の上)、給料を銀行からおろして生活費に充てるというようなことが無かったです。
これは勤め人であるサラリーマンではありえないことですよね。
その2.社内では一番自分が偉い
経営者なので当然ですが、「えへん、えへん」と一番えばることができます。
会社勤めで気が合わない同僚、見るだけで吐き気のする上司、いじめ・パワハラのお局・・・。そんな奴らと付き合うことも、同じ空気を吸うことも、時間を共有する必要もありません。
気に食わなければクビにだって出来ますし(もちろん法のもとで)、自分の気に入っている人間だけで仕事を行うことが出来ます。
ただ注意が必要なのは気に合う仲間のような従業員ばかりを採用しすぎて、会社が友達ばかりで「学校化」してしまい、仕事のことで部下に指導出来ないようになってしまっては本末転倒。
ときには苦言を呈してくれるような「同志」とも呼べるような従業員を加入しておくことや、経営者として「鬼」の側面も持ち合わせてバランスを保つようにすることが必要です。
私が経営者として駆け出した時はその「若さ」ゆえに同年代の従業員と友達のような関係になってしまい、仕事上での指導や従業員同士の社内恋愛の横行など、大学のサークルのようなノリになって大変な経営時期がありました。
最終的には新選組も真っ青の「大粛清」を行って経営危機を乗り越えましたが、大きな遺恨と課題を残しました。
私のように調子に乗らず、まっとうな経営をするためにも従業員選びにはくれぐれも注意しましょう。
その3.働く時間が自由
経営者になると、勤務時間が自由になります。
一般のサラリーマンとは違いタイムカードはありませんし、何時に出勤して何時に帰ろうが誰も文句を言う人はいません。
また休日も自由に決めれますし、好きな時に好きなだけ休むことが出来ます。
ただ私の場合は日本社会の社畜のように働いていたので、むしろ逆でしたね。
従業員のだれよりも早く出勤し、だれよりも遅く帰っていました。
これも自由です。
その4.「社長」「経営者」「代表」という肩書が社会で通用するようになる
経営者になってみて思ったことはその会社の「代表」という肩書のおかげで地位や名誉がとても向上するということでしょう。
「社長=すごいやつ」という幼稚園児のような考え方ですが、それをそのまま体感することが出来ます。
例えばですが、自分が経営者だということを言わずに接した場合と、自分は会社経営者だと言った場合では、接する相手の反応が極端に変わります。
私は経営者としてとても若い部類に入っていたので名刺交換のときに「驚嘆」されることが多くありました。
「若いのに偉いねえ」「苦労してきたんだねえ」など褒められることが多かったので素直にとても嬉しかったです。※褒められてもバチが当たらないくらい本当にめちゃくちゃ苦労しておりました。
またこの肩書のおかげで私の交友関係も大変広がりましたし、自分の年齢では本来会えないような偉人たちとお会いすることができたのが一番の得したことでしょう。
これにより私の今現在のブログ「黄金の知恵袋」も誕生したのですから。
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その5.自分の経営方針が世間で通用するか試すことができる
そして、経営者になって一番の醍醐味といえるのが、自分の経営力が世間で通用するかということを試すことができる。ということです。
私はこれが経営者としての一番の「得すること」だと考えます。
勤め人やサラリーマンというのは基本的には会社の方針に従う必要がありますので、やりたくもない仕事を黙ってこなしていかなければなりません。
給料のためだ・・・、社内の人間関係のため・・・、など、勤め人ならば「仕事の本質」とは違うことのために働かざるを得ない時があります。
しかし、経営者になると自分のやりたいことや熱い想いをカタチにすることが可能です。
自分の力が社会においてどれだけ通用するのか、「冒険」と「挑戦」に立ち向かうことができるのが経営者なのです。
「損すること」

ではここからは、得することの逆として起業して会社経営をする社長になって「損すること」について考えてみましょう。
代表的な「損すること」と言えば、以下5つになります。
その1.全責任がのしかかる
その2.倒産するととんでもない負債を抱えてしまう場合がある
その3.お金で困る
その4.納税額が多い
その5.マイナスな付き合いも多い
その1.全責任がのしかかる
当たり前ですが、経営者になると全責任を負わなくてはなりません。
経営の失敗はもとより、従業員のミス、顧客とのトラブル、従業員労働問題、金銭問題など・・・。挙げ出したらきりがありません。
会社の「顔」になる経営者はトップとして「いざ」という時のすべての尻拭いはすべて自分でやらなくてはなりません。
この意識を普段から持っているだけでも、「すべてのツケは最終的に自分に返ってくる」と思うようになり、他人任せにしたり、問題を先送りにすることなど、トラブルになるような「火消し」を迅速に行うようになります。
この行動を繰り返すようになるにつれ、「この案件はヤバい」とか「これはまだ大丈夫だろう」という危機管理能力が身につくようになり、経営者としてまた一皮むけるようになります。
その2.倒産するととんでもない負債を抱えてしまう場合がある
経営者になって「損すること」というと、倒産すれば代表者が全ての負債を清算する義務があることでしょうか。
基本的には、中小企業の連帯保証人は代表者になっているケースが多いので、「会社の負債=代表者の負債」ということになる場合がほとんどです。
倒産となれば、代表者個人の自己破産も同時に行うことが一般的なので、「倒産=借金持ち=貧乏人」という恐怖が頭から離れなくなります。
私も何度もこの悪夢を考え、眠れない夜がありました。
経営者になるとそのようなリスクもありますので充分すぎるぐらいの経営計画を立てることをオススメします。
経営者一人で考えず、税理士や会計士、社労士、弁護士などネットワークを構築することが絶対必要です。
その3.お金で困る
さて先程は経営者になるとお金の面でとても「得する」ということをお伝えしました。
しかしその反対に「お金で困る」ということもあります。
たとえば自分の給料。
業績が悪化しても従業員への給与支払いは滞らせてはいけませんが、自分の給与は後回しにできます。というよりも「0ゼロ」ということが続いても仕方がありません。
また資金繰りなどで困れば融資対策を講じねばなりませんし、必要に応じて従業員の給与カットや経費削減を実行したりせねばならず、お金で困ることが多分に出てきます。
私は給与カットまでは出来ませんでしたので『極貧大家族』ばりの経費カットを敢行したことがあります。
消しゴム一個から見直し、従業員の猛反発をくらうような結果となっても『経営本体が揺らいではならない』という覚悟で実行しました。
その4.納税額が多い
この納税問題。全国の経営者たちが思っていることでしょう。
「国からのカツアゲ、半端ねぇ」
です。
そして何の見返りもない。
ほんとに馬鹿らしいと感じることでしょう。
この「国からのカツアゲ」で講じれるというものは「法律の下での節税」です。
きちんと節税対策を講じることで少しでも貴重なあなたの「お金」を守るようにしましょう。
これは税理士や会計士がいないとわかりません。
大切な会社を守るためにも「顧問税理士(会計士)」との契約を行うようにした方が良いと思います。
私もそれで助かってますので。
その5.マイナスな付き合いも多い
そして最後に、経営者になって「損する事」として、プラスな付き合いだけでなく、マイナスな付き合いも増えることです。
経営者になると、良い付き合いだけでなくものすごく面倒な付き合いも増えてきます。
よくわからない会合に会費目的で参加して欲しいとか、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、JCなどの経営者社会奉仕団体に入会せねばならなくなったりとか、付き合いでよくわかない舞台のチケットを買わされたりとか、**さんを紹介してほしいと知り合いの知り合いの知り合いの人が訪ねてきたりとか・・・。全部私の実体験ですが、めんどくさい事もたくさんあります。
また俗に言う政治家先生たちの「政治資金パーティー」にもよくお呼ばれし、高額な参加費で多額の献金をしていた気がします。
こんな貧乏経営者からよくも吸い上げたものだといつも思うのですが、その会合で新たな人脈ができるのでルンルン気分で参加していたのも事実ですが(笑)。
他にも、付き合いでの飲み会や食事会が頻繁にあり「付き合いで食べる焼き肉よりも家で食べるカップラーメンの方が100倍うまい」といつも思っておりました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
会社を経営すれば、とても嬉しいこともあるのも事実、とても悲しい想いをすることも事実。
経営者か勤め人か。あなたにとってそのどちらが正解でどちらが間違いなのかはやってみないとわかりません。
しかしやらないで判断するよりも、やってみてその苦労と喜びを経験する方が私は良い考えます。
それは、経営者としての経験があなたの人生において必ず、「人間性を豊かにさせてくれる要因となる」からです。
社長業はいばらの道です。そのいばらの道を踏み越えて得られることはあなたしかわかりません。
そのいばらの道の先にある果実はあなたを待っています。
もし経営者になることを考えるのであれば、経営者の『得』と『損』ということも考えてみましょう。