やりなはれ、まずはやりなはれ /元・電通副社長 山下和彦氏
はじめに
令和2年7月28日、89歳で元・電通副社長の山下和彦氏がご逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
山下さんと私は一時期ではありますが、お仕事をご一緒させていただき、ある意味の主従関係にありました。
大きな仕事で、とてもやりがいのあるプロジェクトでしたので、その仕事に携われたことを今でも誇りに思います。
先日の訃報の一方を受け、まさに「巨星が墜つ」と感じました。
本日は、私が山下さんからビジネス中にかけていただいたお言葉をご紹介したと思います。
山下和彦
元 株式会社電通 取締役副社長さんです。
退任後は関西経済連合会理事、大阪国際会議場社長などを歴任されていました。
その影響力は計りしれず、一線を退いていても神戸ルミナリエを見て「今年のイルミネーションはなんかブルーが多くて寒そうやったなぁ」という声をぼそっとあげると、次の年は暖色系のイルミネーションに変わっているなど、まだまだその力は衰えることなく活動をされていました。
すごい人なのにユーモアがあり、ミーティングで入った人間の顔をみるやいなや、「なんや、メガネばっかりでエンターテイメントには程遠いようや堅物ばっかりやな」とか、山下さんを車で送迎中に前に座った男性がハゲていたことを見て「頭ツルッパゲで眩しいわ」とか、サラッと言っていたその人間味が好きでした。

やりなはれ、まずはやってみなはれ
山下さんが陣頭指揮をとって行っていた仕事はとても大きいプロジェクトでしたので、私も判断に迷う瞬間も多く、リスクを考えると二の足を踏むことが多々ありました。
そんなとき山下さんに相談すると「やりなはれ、まずはやってみてから考えー。」と第一に行動すべしという指導がよく入りました。
これは思案しているうちに考えに新鮮さがなくなり、結局何も行動できないまま成果も出ないということなのだそうです。
山下さんは常に「仕事での成果はリスクと表裏関係にある」とおっしゃられ、行動するからこそ良いアイデアも、良い仕事も、充実した結果も、生まれるのだと話されていました。
この考えは「リスクを犯さないリスク」です。
仕事をする上でとても重要なことを学ばせていただきました。
また一つの知識の巨人が旅立たれましたが、私もビジネスパーソンとして精進して参りたいと思います。